小さな幸せ

日記、雑記、日々の事をそのまま書いています

昔話〜人生最悪の日〜5

続きです。

 

看護師さんに案内されて、主人がいる部屋に入りました。

 

ベッドで横になっている顔は・・・寝てるようにしか見えませんでした。

 

苦しそうな表情ではなく、本当に穏やかな顔でした。

 

違うのは呼吸がない事だけでした。

 

その姿を見ても涙が出てこないんです。

 

悲しいですし、もう目を開ける事も

 

声を聞く事も

 

喋る事も出来ないのに。

 

横にいる娘は静かに泣いていました。

 

お医者さまから検査の結果とかを言われた気はするのですが、

 

頭に入ってなかったです。

 

「側に行ってお話してあげて下さい」

 

と、言われてやっと歩く事が出来ました。

 

体や顔を触りながら、耳元に口を近付けて喋ってたと思います。

 

何分経ったかは分からないですけど、

 

葬儀社の方が到着するのを待たなければいけないので

 

病室を出て、別室に移動しました。

 

その時に、実妹が病院に到着したというので玄関まで向かいに行きました。

 

実妹の姿を見た瞬間、張り詰めていた糸が切れたんでしょうか。

 

抱きついて大泣きに泣いてしまいました。

 

実妹も泣いていたと思います。

 

しばらくして、葬儀社の方が来られて

 

斎場へと移動しました。

 

お恥ずかしながら、私は殆ど頭も体も動けない状態であったので

 

段取り、打ち合わせなどは実妹が率先してくれました。

 

・・・今でも感謝しています。

 

葬式は家族葬でするのは、決めていたので

 

簡単な打ち合わせをしてその日は、一旦帰宅する事になりました。

 

帰宅してからも実妹が色々と気遣って、動いてくれていました。

 

「お姉ちゃん、少しでも食べないと」

 

と、実妹は言います。

 

私は

 

「いらない。食べたくない、飲みたくない」

 

と、答えたと思います。

 

そんな私をそっとしてくれて、外に買い物に出て

 

麺類とか、ポカリとか、ゼリー系を買ってきてくれて

 

「お姉ちゃん、冷蔵庫に入れておくね。食べれそうなら食べてね。」

 

と。

 

それからは夜遅くまで、翌日の打ち合わせとか

 

葬儀が終わった後の話をして就寝しました。

 

人間って・・・というか、私だけなんでしょうけど。

 

悲しくても、お腹空かなくても、眠気はくるんですね。

 

いまだに、これだけは不思議に思っています。

 

布団の中に入った瞬間から、涙がとめどなく溢れでて

 

ティッシュでは追いつかなくバスタオルで顔を覆いながら

 

いつの間にか寝ていたんです。

 

泣き疲れたから?

 

でも、感覚的にはそうではない気がして。

 

きっと、主人が・・・と思わないでもないです。

 

 

今回はここまでにします。


読んでいただいてありがとうございます。